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日本への警鐘?アートな街台湾

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2017/09/19

イラストレーター・アーティストのAya Shimoharaです。

台湾って聞いてどんなイメージを持ちますか?

・アートが盛んらしい!

・デザイン、ものづくりが熱い!

・今、台湾がすごいんだって!

こんな言葉、最近よく耳にしませんか?

アート業界やクリエイティブ業界に身を置いていると、本当によく耳にします。

私自身も非常に気になる国、台湾。

今回は、その全貌を自分の目で確かめるべく、2泊3日の台湾弾丸旅をしてきました。

 

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若手アーティスト・クリエイターの発信の場が街中のいたるところにある台北


まずは誠品書店(eslite)という本屋さん。

本屋といってもただの本屋ではなく、本のチョイスも内装もセンスを感じる造りになっていて、日本で例えるならば蔦屋書店のような都会的な洗練さと、スタンダードブックストアのようなコアファンの心を掴む独自性を兼ね備えた書店で、本だけではなくデザイナーズの文具や、服飾雑貨なども置かれており、どことなくMOMAデザインストアを感じさせる、まさにいいとこ取りの店舗です。

 

その誠品書店が書店だけではなく、誠品生活という百貨店のような施設や、地下街の路面店なども経営しており、台北のいたるところに店舗を持っています。

 

その中の一つにEXPOという、クリエイターズ商品を集めた店舗があります。主に雑貨などのプロダクト商品が多いのですが、非常にクオリティも高く、丁寧な物作りと若手作家の可愛いデザインが印象的です。

 

日本でも若手作家のハンドメイド雑貨などを取り揃えたお店などはありますが、百貨店のポップアップや、セレクトショップの一角が多いと思います。

 

このEXPOは台北市内のいたるとこにあり、しかもどれも一等地の常設店舗、という好条件。

 

中にはガラス細工の工房が併設されている店舗や、木工雑貨の手作り体験など、ワークショップも充実していて、人で賑わっていました。

 

クリエイターが発信する場所、発信したくなる場所、を目の当たりにしてワクワクする気持ちと、日本にこんなところあるかな?というちょっとドキッとする気持ちも抱いてしまうほど、魅力的な場所です。

 

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EXPOのみならず、華山1914、松山文創園区など、日本統治時代の工場や醸造所をリノベーションした施設で、最新のカルチャーを発信する場所もあります。様々なアートイベントや展示が開催されており、何時間いても飽きない場所です。

そのどちらも街中にあり、おしゃれなカフェやデザイナーズ商品を扱う感度の高いショップが併設され、文化・アートが生活に溶け込むような工夫が見られる、そんな空間になっています。

しかも、ちゃんと人で賑わい、商売として成り立っている、というところが素晴らしいなと感嘆するばかりでした。

 


アートやクリエイティブをもっと日常に


 

私もいちクリエイター、いちアーティストとして、この旅を単なる観光で済ますわけにはいかない、と思って挑みました。

色々な方に協力していただき、台北市内で出版社兼書店(さらにギャラリー、カフェ、イベントスペースも併設)のオーナー様、デザイン事務所のオーナー様を訪問し、お話をさせていただきました。

お二人に共通で感じたことは

文化・アート・クリエイティブをもっと自由に表現して、仰々しくとっつきにくいものではなく、もっと生活に馴染み、人々の心を豊かにするものとして広めたい

という気持ちです。

 

上記でも述べたように、クリエイターズ雑貨の販売が盛んな台湾。

アート作品の絵画やイラストレーションも、うまく雑貨という“モノ”に落とし込んで発信しています。

ものづくりが得意な台湾ならではのアイディアです。

 

台湾は日本の統治国家だった背景もあり、日本人と共通項を多く感じることがあります。

第2回目のコラムにて、日本人がいかに文化・芸術にお金をかけない国か、他国との比較を交えて書いたことがありますが、台湾もかつては日本と同じように、実用的なものにしかお金をかけない傾向があったそうです。

 

ですが、今回実際に訪れてみて、そういったことは全く感じず、むしろ文化・芸術の発信に熱心な国に見えました。

 

わずかこの十数年、あるいは数年の間に、経済的発展のみならず、文化芸術に対する国民の意識を改革できた要因はなんなのだろう…

芸術教育館など、政府が芸術教育を後押しする機関などもあることから、若い才能を大切にし、文化芸術をきちんと支援してきた結果でしょうか。

 

未だに経済優先で、いつまでたっても文化予算も低い日本。日本にできなかったことを台湾は叶えつつあるようです。

 

 

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あれ、日本おいてきぼり?〜台湾・韓国の交流展を見て〜


 

いかにも、ではありますが、やはり美術館は押さえておこうと台北私立美術館へ行ってきました。

地下1階から地上3階まで非常に広い空間に、様々な企画展が開催されており、弾丸旅のため長居できないことが残念なくらい充実した時間を過ごせました。

入館料も30元(当時レートで約110円)という格安さ。

日本ならば、1企画展に何百円〜何千円とチケット代を払わなければ観れないところです。

欧米諸国の美術館は入館料無料で、作品の撮影もOKのところが多いですが、台北市立美術館も夕方の入館料は無料だったり、撮影OKの展示がほとんどでした。

 

その中でも一番気になった企画展が、台湾と韓国のコラボ展です。

 

作風や、制作年から見るに、明らかに若手のアーティストの展示でした。

韓国もアートに対して熱心な国です。

エネルギー溢れる展示はとても刺激的で鑑賞していてワクワクさせてくれるものが多かったです。

 

素晴らしい!と賞賛を讃えるのと同時に、羨ましくも感じました。

 

若手アーティストらしい堅苦しくなくカジュアルで、体験型の楽しく鑑賞できる作品を、市立美術館という大きな舞台で発表できる、ということ。

 

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世界のアート市場の多くを占めるのは当然アメリカではありますが、かなりの僅差で中国が迫っています。アジアが欧米を凌駕する現代アートの発信場となりつつあるのは定かでしょうが、その“アジア”に日本は入っていますか?

 

 

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1986年生まれ 京都嵯峨芸術大学でデザインを学んだのち、アクセサリー制作会社にてレディース服飾雑貨、アクセサリーのデザイナーを経験後、ティーン・子供向けアパレル商品制作会社にてテキスタイル図案デザイナー・イラストレーターとして勤務。 在職中から、個展、展覧会に多数参加し、アート活動を精力的に行う。主に女性を中心に人物イラストを作成し、海外ライクなカラーリングや作風が受け、ニューヨーク、ロンドン、シドニーなど多くの海外ギャラリーで活動。 写実的なリアルなイラストから、アメコミのようなポップなテイストも制作。また、絵の具や鉛筆を使った手描きも、パソコンを使ったグラフィカルなデジタルイラストも、色々なテイストのイラストレーションを制作。アパレル会社でのデザイン経験から、ファッションやトレンドを意識した作風で、アパレル商品や、女性向けイラストなどに作品をご提供。様々な媒体で活動中。 商業イラストだけでなく、アート活動も随時行なっておりますので、展覧会やアートエキスポなどのお誘い、ご依頼も承っております。
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