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情報の偏りの怖さって話

情報のイメージ
羽田野真寛

羽田野真寛

2017/11/10

 
  
今年の夏から農業メディア農ledgeというメディアを運営しています。ありがたいことに徐々にアクセスも増えて、農家さんや農薬会社さんからメールや電話をいただくことも増えてきています。
 
 
 前職がWebマーケのコンサルだったためAnalyticsやサーチコンソールなどを半ば趣味的に見ることが多く、いろいろなところからバックリンクをもらっていて、SEO的には嬉しいなと思いながら見ています。
どこからリンクをもらっているのか調べると肯定的な意見でもらえているケースや批判的な意見でもらえているケースなど様々です。それを見なら考えたことを今日は書きたいなと思います。
 
 
事実より感覚
 先日農ledgeでネオニコチノイド系農薬とミツバチについての関係について記事を書きました。これが今までの記事の中で最も拡散された記事のうちの1つで、多くのメッセージなどをいただきました。またバックリンク元とたどると記事を書いた1週間は肯定的な意見と一緒にリンクが、1ヶ月後には批判的な意見とともにリンクがまた増えました。
 
 
 記事の中で、私はミツバチの数は増えていると書きました。これは農水省と日本蜜蜂協会のデータを引用しておりおそらく日本で最も公的な数値だと思います。そのデータに基づき記事を書き、「ミツバチが減っていると騒がれるのは誤解である」というようにまとめたのですが、バックリンク元を見ると「うちの畑ではミツバチの数は減っていてこの記事は間違っている!」という意見がありました。別に批判されたことに個人的に腹を立てているわけではなく、これはかなり「危険」だなと感じたところです。 「危険」と感じたところは下記についてまとめます。
 
 
①原因分析をしない
 人間は感情的な生き物ですから、自身のミツバチの数が減っている中でミツバチの数が増えているというデータは腹が立ったのかもしれません。しかし、冷静に考えたら減っているのは自分のところだけという可能性も大いにあり得ます。全体的に数が減少しているのであれば、個人の力ではどうしようもない規模の「何か」なのかもしれませんが、個人ベースで減少しているのであれば何かしらの原因があるはずです。
 
 例えば、ダニが発生している、周辺地域に蜜源が少ない・・・・など。原因が分からなければ、対策も分からない。ただそこで大事なのは事実としっかり向かい合うということかな?と思います。他の業界でも不況という中で収益を上げる企業も多いわけで、全体の中で自分がそうなっている原因がどこにあるのか?という原因の分析と究明は大事だなと思います。
 
 
②情報精査をしない
 ①と似ているところがありますが、情報を精査することは大事なことです。農ledgeの元のデータをベースに書いている記事で、元データを一次情報とするなら二次、三次情報に過ぎません。二次以降の情報に価値がないかと言えばそんなことはないと思いますが、情報をしっかり精査することはやはり大事です。私もしっかり調べて記事を書いていますが、間違ったこともあるでしょうし、引用する元データがそもそも間違っている可能性もあります。それであるからこそ、1つの情報が全てではなく、それをきっかけに自ら情報を取捨選択できるようになることが理想的かなと思います。そのため農ledgeはそんなきっかけを与えられる記事であれば嬉しいなと思っています。
 
 
③発言の責任
 今でこそSNSというものが普及し、個人の発言が世界中に届くようになりました。つまり、オフラインだけでなくオンラインでも発言の責任が重くなっているということです。私もSNSでの発言はかなり気を使っていますし、指摘を受ければ謙虚にお詫び修正するようにしています。
 
 
 そして常々感じているのは、私などどこぞの馬の骨なのか?という小者ですが、記事を出す時は自分なりのベストとして記事に責任を持っているつもりです。それはもしかたら私の記事や発言を信じてくれる人やベースにしてくれる人もいるかもしれないからです。
 
 
 そして、特に業界の人の発言はそれが更に重くなります。私なら農業界ですが、例えば、車業界の人が「あのメーカー不正しているよ」という事実に関係なく発言したとしたら、それがそのメーカーの存在を脅かすほどの損失を出すことも十分にあり得る。すなわち、業界人ほど業界のことについての発言はとても大事なのである。
 
 
もちろん私の言っていることの全てが正しいわけではないが、それを精査し、きっかけの1つになってくれれば嬉しいと思っている。
 
 

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株式会社ケイエスケイシステム代表取締役 東京大学大学院農学生命科学生命科学研究科 修了 農業を軸とした事業を展開
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