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現状維持は緩やかな下降 〜UNKNOWN ASIAを終えて〜

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2017/11/13

アーティスト・イラストレーターのAya Shimoharaです。

11月3、4、5日にハービスホールで開催されたUNKNOWN ASIAに出展しておりました。

アジア各国から審査を通過したアーティスト200名が集うアートフェアは圧巻でした。

それぞれの作家から放出するエネルギーのぶつかり合い、その中に参加できた事、とても光栄に思います。

 

現状維持は緩やかな下降


エントリーの事前に、説明会と今回のUNKNOWN ASIAで審査員やレビュワーを務める方達に作品を観てもらえるプレビューがあり、幸いなことに多くの方に見ていただきました。

感想を一言で言うと、

「ズバリ言い当てられたな、」でした。笑

当然、審査員やレビュワーの方々は、何年、何十年とアートやクリエイティブの世界に従事し、幾つもの作品を観て来たプロですから、お見通しだと思いますが、まさかここまでとは、と驚きでした。

そもそも、今回UNKNOWN ASIAに挑戦しようと思った理由は、今まで欧米で活動して来て、幸いなことに毎年展示のオファーを頂けて、数点作品が売れて、また描き下ろしては次の展示に参加して〜と言うループ状態が数年続き、良くも悪くもこの“横ばい状態”を続けていくべきかどうか迷っていました。

なので、日本、アジアというまだチャレンジしていないフィールドでやって見たら何か違うものが得られるかな、と考えてのことでした。

プレビューでは5名の方に見ていただきましたが、ほぼ全員が同じ感想で、

一言目に「窮屈な感じがする」でした。

 

そう、まさに窮屈だったのです。

 

しかも、窮屈にしたのは自分のせいです。

欧米のギャラリーから毎年オファーが来る、なんて贅沢な状態にありながら、横ばいの結果を生み出し続けたのは、自分で自分の亜流作品を作り続けた結果です。はじめに出した作品が評価が高く、

 

「あ、こういうのが好きなのね、」とその類似作品ばかりを無意識に作り続けていました。

 

そりゃ、描いてる本人も窮屈だし、結果も横ばいなはずです。

 

プレビューで見ていただいた5名の方からのお言葉は、どれも的を得ていて、図星で、ごもっとも!な事ばかりでした。その中でも、DMOの高橋さんから頂いた言葉が、マイキングオブ図星でした。

 

「このまま続けるのも一つ正解だと思います。でも、現状維持って緩やかな下降ですもんね^^ニッコリ」

 

この言葉に往復ビンタ&ボディーブローくらった位、目が覚めました。そして壊れるほど、やる気スイッチを押して頂けました。

みなさんから受けた叱咤と励ましに応えられるよう、真摯に向き合う決心をし、じわじわ効いてくるボディーブローの痛みを当日まで持ち続け、悔いなき様、挑もうと思った1日でした。

 

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自分を見つめ直す時間


新しい作品を作る上で、今までの作品から変えたい部分、逆に譲れない部分を洗い出したり、もっとプリミティブに自分が昔から好きなもの、嫌いなものを再認識したり、様々なことを試みました。

セルフブランディングのセミナーにも通いました。

 

そもそも、“内観”って得意じゃなくて、自分自身に対する興味が薄いせいか、ナルシシズムのようで気恥ずかしく感じるせいか、とても骨の折れる作業でした。

その不得意な作業に時間と労力と幾ばくかのお金を費やし、向き合ってみることにしました。

 

今回の作品は、欧米で活動してきた経験と、若年僧向け商品のデザインに従事したデザイナー経験から得られたコンセプトで、自分の記憶に強く刻まれた経験と日常の小さな違和感から生まれました。

 

やはり、自分の中からしか作品は生まれない、そう改めて感じた時間でした。

 

審査を通過し、正式に出展が決まってから当日まで、多くの時間はありませんでした。

どの作家もそうだと思いますが、日々の仕事をしながらの作品作りはハードです。

しかし、新作で挑まなければ意味はない、と心得、結果6点の大きいサイズの作品をなんとか作りました。

荒削りも荒削りだったことでしょう。

自分でもとても完成していた、とは言い切れません。

でも、ベストとカロリーはつくしました。

本当に身にあまる光栄で、いまだに夢ではないか、と思うのですが、アートディレクターの今井和弘さまよりレビュワー賞をいただきました。

今井さま曰く、評価ポイントは『勢い』だそうです。

きっと、今後の期待を込めて、という意味で与えてくださった賞だと思います。

その期待に恥じぬようこれからも挑戦し続けなくては、と背筋がピンとなる思いでした。

ちなみにいただいた賞状は、日々仕事をするデスクの前に飾っています。

手にした栄光にすがっているわけではなく、頑張んなきゃやばいよ!と自分のお尻をひっぱたくために飾ってます。

 

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バックボーンの無い作家なんていない


授賞式がとても感動的でした。

グランプリの河野ルルさんが、感極まって涙を流した時、

あの涙が全てを語っている、と感じました。

バックボーンが無い作家なんていない。

プレイヤーでいることの辛さと喜びは大きいです。

それから、今回出展を断念した、または審査から外れてしまった友人がいます。

私はその人たちの辛さや苦しさもよくわかります。

でも、悔し涙を流した人たちが強いこともよく知ってます。彼女彼らの猛追はすごいはず。

うかうかしていられない。

 

「ASIA IS ONE」


授賞式の冒頭で、審査員の信藤さんが仰っていた言葉、

「ASIA IS ONE」

大阪にアジア各国のアーティストが集結するイベントUNKNOWN ASIA

今回、参加してみて改めてすごいアートフェアだな、と感じ、ふと韓国が主体となって開催せれた、アジアアートアワードを思い出しました。

確か当時まだ美大生だったか、卒業して間もない頃だったか、韓国のLOOPが主宰となってアジアの現代アート作家を顕彰しよう、という想いを持って大きなアワードが誕生し、日本からもchim↑pomが出展していたのを覚えています。

おお〜素晴らしいなぁ、と思うのと同時に、なぜ日本が主催になってこういう舞台を作れないんだろう、と虚しさみたいなものを感じた記憶があります。

時を経て、大阪でこのような大きなアートフェアが開催せれた事、ますます勢いを持って大きくなっている事、本当に嬉しい事だと思います。

この場を作ってくださった方たちに大きな拍手と感謝の意を表したいです。

舞台がなければ私たちはスポットライトを浴びれませんから。

泣いて笑って、悩んで歓喜して、30歳超えてこんなにも青春を謳歌できるなんて、幸せ者だな、と感じた3日間でした。

 

アーティストは芸人に似ている


Mー1や、キングオブコントを観ていて、そう感じることが多々あります。

自分たちが作ったものを披露したい、笑わせたい、一番になりたい、そう思って勝負に挑む姿、結果が出ずに悔し涙をのむ姿、逆に結果を残し歓喜に沸く姿、すべてに感情移入してしまいます。

彼らにもいろんなバックボーンがあるはず。

アーティストもそうだから。

 

私は、散々な目にあったり、全然うまくいかなかった時、パッとしないな、と感じた時、思い浮かべる言葉があります。

「人生はコント」

私みたいな女がシュッとしたスタイリッシュな人生歩むはずがない、金だらいが落ちて来て、ンパッパンパンパッパ〜(ドリフの効果音)がお似合いよ!と思うようにしています。

決してネガティブな発想では無いです。面白い人生歩んでいるな〜と思うようにしています。

人生はアップダウンでできていて、その振れ幅に個人差があるのでは無いか、と思うのです。

突拍子も無いことが起こったり、とてつもなく落ち込んだり、しかしその分、喜びの幅も大きい。

まさにコントさながらだと思うのです。

 

 

もし、出展をパスして、ビジターとして観に来ていたら、悔しくて悔しくてたまらなかったはず。

やはり私は土俵に上がりたい。

たとえ人生がコントになろうとも。

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ayashimohara

1986年生まれ 京都嵯峨芸術大学でデザインを学んだのち、アクセサリー制作会社にてレディース服飾雑貨、アクセサリーのデザイナーを経験後、ティーン・子供向けアパレル商品制作会社にてテキスタイル図案デザイナー・イラストレーターとして勤務。 在職中から、個展、展覧会に多数参加し、アート活動を精力的に行う。主に女性を中心に人物イラストを作成し、海外ライクなカラーリングや作風が受け、ニューヨーク、ロンドン、シドニーなど多くの海外ギャラリーで活動。 写実的なリアルなイラストから、アメコミのようなポップなテイストも制作。また、絵の具や鉛筆を使った手描きも、パソコンを使ったグラフィカルなデジタルイラストも、色々なテイストのイラストレーションを制作。アパレル会社でのデザイン経験から、ファッションやトレンドを意識した作風で、アパレル商品や、女性向けイラストなどに作品をご提供。様々な媒体で活動中。 商業イラストだけでなく、アート活動も随時行なっておりますので、展覧会やアートエキスポなどのお誘い、ご依頼も承っております。
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