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地方活性化とか言うけど、地方の課題本当にわかってる?って話

日本の地方
羽田野真寛

羽田野真寛

2017/12/08

 
 
 弊社では農業に関わるビジネスを展開していますが、どうしても農業と地方という関係は切っても切れず、今回は地方に関することを記事にしようと思います。まだ公にリリースをされていないので地域や詳細はまだ伏せさせていただきますが、現在2つの地方都市で地方活性化という名目の元、プロジェクトを進めています。そこで得たリアルな情報ついてまとめいきます。
 
 
 
 


▶外から見た地方と中から見た地方


 
 地方活性化、地域再生、地域振興・・・など様々な名前で日本の地方を再生しようという機運があります。実際地域おこし協力隊などの予算が組まれ各地方で20-30代の若者たちがそのプロジェクトに参画しています。
 
 だいたいどの地域の事案も見ても抱えている課題は似ていて、少子高齢化、観光客の減少、農業の衰退、空き家の増加・・・です。これは全国どこの地方都市を見てもその課題は似ているところで雑に一言で言えば「人減少」です。実際街を車で半日も走ればまさにそのとおりだよねと肌で感じることもできます。そうすると、地方活性化というと移住者を増やそう、観光客を増やそうと、外部からの流入を増やそうとイベントPRなどを一生懸命行います。もちろん、イベントやPRがなければ移住者がますます減りますのでそれ自体を否定する気はありません。これが外から見た地方の課題とそれに対するアプローチのテンプレです(あくまで肌感)。
 
 一方中から見ると、地方の持っている課題は外から見たときと少し変わってきます。具体的には医療問題(医者不足)、働き口の不足、商店の閉店・・・というものです。外から見ると「人口減少」そのものが問題のように見えるのですが、実際もう少し地方に入り込んでみると、人口減少が問題ではなく、人口減少は結果論であって、それの原因である「こと」がそもそもの課題なのです。
 
 例えば、ある地方では大学進学で東京、大阪に行き、卒業後は地元に就職先がなくそのまま進学先の都市圏で就職して帰ってこないというケースです。これは、地方からするとインパクトは比較的大きいです。なぜならこれからバリバリ働き家庭を持つ(可能性の高い)世代が帰ってこず、数字上は人口減「1」ですが、後の家族のことや、地元で働き納税し、家や車を買う・・・ということまで考えると地元へのインパクトはそこそこに大きいはずです。そしてこれはあくまで結果であり、実際の原因は働き口がないということです。
 
 そのため、外から見た地方と中から見た地方では課題感に対する認識が若干というか大きくずれていることが多いです。そのため、移住者を集めるイベントをひたすら開催し地元が疲弊する・・・ということを良く聞くのです。
 
 
 
 


▶課題に対するギャップ


 
 さて、外から見た課題と中から見た課題ではギャップがあることが伝わったかなと思います。例えば地元の方のことだけを考えると大きな総合病院と大きなショッピングセンター、企業の工場が地方に進出しインフラをカバーしながら、雇用を創造するというのは手っ取り早いかもしれません。おそらく向こう10年はこれだけでその地方の状況はある程度変わるはずです。なんとも創意工夫のない地方創造の方法だと思われるかもしれませんが、これがリアルであり、地元の方が望んでいることの1つであるということを先ずは認めるべきかと思います。これに対して「地方の良さが失われる!けしからん!」と言う方もいますが、そういう方の多くは外部(その地域の人ではない)の有識者です。確かに全国どこに行っても同じものが買えるショッピングセンターは面白くないですが、地元の人にとったらそれはとても重要なものだと思います。だから地方は地方らしくというのはもはやエゴなのでは?と考えています。
 
 
 
 


▶でもそれは面白くないから違うアプローチをする


 
 大型ショッピングセンター、大きな総合病院、工場の進出・・・これは地方活性化に大きなインパクトでこれを否定する気はありませんし、それも有りだと持っています。
 
 しかし、これは個人的には面白いとは思っていません。なぜなら先ず、大型の何かも永久的にそこに存在することはなく、時代の潮流に合わせて撤退という可能性も十分にあります。そしてもう1つ、地方だからこそ選択肢があるはずで、そっちのほうが面白いと思っているからです。今はある2地方都市でそれに関わっているので具体的にはなかなか言えませんが、ざっくりいうと地方で継続な事業(ビジネス)を創造し、地元の方がそこで一緒に稼げるスキームとマインドを構築するというものです。
 
 実際地方でビジネスを行うと先ず自身の生活費も安く抑えられますし、事務所の家賃などもかなり安く抑えられます。そんなメリットのある地方では東京よりビジネスはやりやすく、ミニマムのビジネスの起ち上げなら地方のほうが向いているとさえ思っています。
 
  
 さて散々偉そうなことを言っておいて、具体的なアプローチ方法については伏せるというズルい記事になりましたが、今後日本の地方は良い意味でも悪い意味でもより注目されていくと思います。その中で、それを解決しよう、それをビジネスにしようという機運も高まってくるとは思うのですが、決して、課題のポイントを見間違えないでほしいなと思います。ただそれだけが今回伝われば良いかなと思いながら記事を書きました。
 
 

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株式会社ケイエスケイシステム代表取締役 東京大学大学院農学生命科学生命科学研究科 修了 農業を軸とした事業を展開
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