大阪市立美術館では、特別展「江戸の戯画 ―鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」を、2018年4月17日 (火)から6月10日(日)まで開催。
滑稽な人物を軽妙な筆致で描いた鳥羽絵は、18世紀の大坂で鳥羽絵本として出版し人気を博した。その人気は近代にまで及び、大坂に留まらず、江戸の浮世絵などにも影響を与える。

葛飾北斎「謎かけ戯画集 鰻」ベルギー王立美術歴史博物館蔵(通期展示)
太平の世が長く続いた江戸時代には多くの戯画が描かれており、一口に戯画といっても多種多様で、「鳥羽絵」をキーワードに江戸時代の戯画を紹介。

耳鳥斎「地獄図巻」(部分)大阪歴史博物館蔵(通期展示※巻替え)

河鍋暁斎「風流蛙大合戦之図」河鍋暁斎記念美術館蔵(展示期間:5月29日〜6月10日)

一鶯斎芳梅「滑稽浪速名所 住吉」和泉市久保惣記念美術館蔵(前期のみ展示)
滑稽な人物を軽妙な筆致で描いた“鳥羽絵”をキーワードに、“鳥羽絵”を洗練させた大坂の「耳鳥斎(にちょうさい)」はもちろん、鳥羽絵本の影響を受けたと考えられる江戸の「北斎」や「国芳」、そしてその流れをくむ「暁斎」など、時代や地域により変化しながらも、鳥羽絵に見せられる笑いの感覚は脈々と受け継がれている。
このような鳥羽絵からの流れを追いつつ、人気絵師たちによる江戸時代の戯画約280件が全6章で楽しめる。
また、江戸時代の浮世絵師で「戯画」を得意とする歌川国芳が描いた「金魚づくし」シリーズ。現在、日本国内やベルギーに9図の存在が確認されており、4月17日(火)~5月13日(日)限定で、世界初となる歌川国芳の「金魚づくし」シリーズ全9図を一部屋に全て展示。

歌川国芳「きん魚づくし ぼんぼん」個人蔵(通期展示)
本展は大阪1会場のみで巡回もしないので、笑いを文化として培ってきた大阪の地で、多彩な笑いの世界を楽しんでみては。