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安藤忠雄展―挑戦―

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プロボクサーを経て、独学で建築の道を志す――
異色の経歴で知られる建築家、安藤忠雄の個展『安藤忠雄展』が国立新美術館で開催。

 

1969年に「都市ゲリラ」として建築設計活動をスタートして以来、常に既成概念を打ち破る大胆な作品を世に送り出し、その緊張感溢れる作風は、グローバルに、より激しく新たな世界を切り拓いてきた。
安藤忠雄の半世紀近くに及ぶ、壮大な創造的挑戦が5つのテーマに沿って紹介される。

 

 

小篠邸,1981年,兵庫県 (撮影:新建築社)

小篠邸,1981年,兵庫県 (撮影:新建築社)

 

 

#1 原点=住宅
安藤忠雄にとって、人間の<住まう>という最も根源的な営みを受け止める住宅こそが建築の原点。作品の展開の中で、限定された素材の使用、幾何学的構成の追及、自然との共生といったテーマに象徴され、安藤建築の原型は完成される。ここでは、 初期の代表作である「住吉の長屋」から近年の圧倒的スケールの海外住宅作品まで、100を超える住宅作品の全てを、一挙公開される。

 

 

光の教会,1989年,大阪府 (撮影:新建築社)

光の教会,1989年,大阪府 (撮影:新建築社)

 

 

#2 抽象化された自然
安藤建築の特徴の一つは、厳格な幾何学に沿って、極限までそぎ落とされたような造形のシンプルさだ。その無地のキャンパスのような空間に、光や風といった自然の息吹が映し出されることによって、安藤忠雄の目指す<空間>が生まれる。その意図がもっとも端的に現れているのが、機能を持たない祈りの場として計画された、教会の建築だろう。ここでは、その代表作を紹介しながら、さらにインスタレーションとして、原寸大の「光の教会」で空間を再現する。

 

 

表参道ヒルズ,2006年,東京都 (撮影:松岡満男)

表参道ヒルズ,2006年,東京都 (撮影:松岡満男)

 

 

#3 余白の空間
自らを「都市ゲリラ」と称した安藤忠雄が、都市というテーマに対して、一貫して試みてきたのが、意図的な余白の空間をつくりだし、人の集まる場を生み出すことだ。商業施設のパブリックスペースの積極的なデザインから始まったその挑戦は、次第にスケールを上げていき、「表参道ヒルズ」の吹き抜け階段広場のような、都市空間を生み出すに至る。近作であるメキシコでの「モンテレイ大学RGSセンター (2012年,モンテレイ)」や中国での「上海保利劇場」などに見られるダイナミックな空間表現は、この<余白>の新たなる展開ともいえる。

 

 

水の教会,1988年,北海道 (撮影:白鳥美雄)

水の教会,1988年,北海道 (撮影:白鳥美雄)

 

 

#4 風景の創造
都市の建築家としてスタートした安藤忠雄が、大自然に包まれた立地での建築に挑戦するようになったのは、1980年代末から。抗うべき対象のないとき、安藤が試みたのは、敷地の持つ個性を最大限引き出し、その場所にしか出来ない風景を創り出すこと。その挑戦は「水の教会」のような規模から始まり、「近つ飛鳥博物館(1994年,大阪)」のような公共建築、さらには「淡路夢舞台(1999年,兵庫県)」のような都市的スケールへと展開、そのプロセスのユニークさという点で、特筆すべきは30年余りに及ぶ、香川県 直島での一連のプロジェクトだ。

 

 

プンタ・デラ・ドガーナ,2009年,ヴェニス/イタリア

プンタ・デラ・ドガーナ,2009年,ヴェニス/イタリア (撮影:Palazzo Grassi S.p.A, Orsenigo Chemollo / ORCH)

 

 

#5 記憶の継承
「あるものを生かし、ないものを創る」安藤忠雄にとって、歴史の刻まれた建物の再生は、常に挑戦心をかき立てられるテーマだ。こうした計画は、技術的、経済的な困難が大きいため、中々実現はされない。それでも、あきらめずに挑戦を続けた安藤は、1990年代頃から「大山崎山荘美術館(1995年,京都)」「国際子ども図書館(2002年,東京)」など、いくつかのプロジェクトを成功させ、 2000年代には歴史都市ヴェニスで、海の税関「プンタ・デラ・ドガーナ」を手掛ける。現在もパリ中心部で、16世紀に端を発するかつての穀物取引所(ブルス・ドゥ・コメルス)の改修プロジェクトに取り組んでいる。

 

 

本展では、安藤忠雄の半世紀近くに及ぶ、壮大な創造的挑戦の軌跡を、その空間の本質を突く五つのテーマに沿って、設計のプロセスを伝えるスケッチ、ドローイング、模型に写真、映像といった、多彩な資料と共に紹介。来場者は、世界のANDOの歩んできた道程を辿る「時空を超えた旅」を体感する中で、建築という文化の豊かさ、その未来の可能性を知ることになる。

 

 

ベネッセハウスミュージアム,1992年,香川県 直島(撮影:藤塚光政)

ベネッセハウスミュージアム,1992年,香川県 直島(撮影:藤塚光政)

ベネッセハウス オーバル,1995年,香川県 直島(撮影:藤塚光政)

ベネッセハウス オーバル,1995年,香川県 直島(撮影:藤塚光政)

安藤忠雄展―挑戦―

会場: 国立新美術館 企画展示室 1E+野外展示場(東京・六本木)
期間: 17/9/27(水)〜12/18(月)
時間: 10:00〜18:00 金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休館: 毎週火曜日
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